深窓のこいびと【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
瀧本羊子
このレビューはネタバレを含みます▼
ネタバレしない方が良いかなと思ったので、簡潔に。
20代でそれは辛かっただろうなと。幸せであんな形だったら余計にそうだろうなと…(清水さん)
また土屋くんだったから、清水さんはあんな風に泣く事ができたのかな?とも思ったりしました。それまでは、感情に蓋をしていた方がまだ楽だっただろうなと。
希死念慮があったとしても、身体の細胞がそれを察知し気を付けてー、と本人にサインを送ったとしたら、それは寂しさという感情で表れるのかな?と。そんな空気感を纏った清水さんを、美しいと惹かれた土屋くん。若いって良いなと、清水さんを見つめる表情が良かったです。
そんな世界観の物語なのですが、作者さまの描き方が静かで、ゆっくりした時間みたいなものを感じて美しいなと。
清水さんが愛読している作家がジョン アーヴィング(でしょうか…)、彼の自宅がT字路にある、そんな所から深窓、という言葉の耽美さを感じて良かったです。(T字路は…死者の通り道、地方によっては石とか置いたりしませんでしょうか?)
副腎疲労が酷くなると尽き、そうなると。清水さん、栄養のあるものを作ってもらって…と思いました。そこを心配するそれぞれの描写に泣きました(食事大事😩)。
初読み作者さんでしたが、どこか正当な耽美さ…(民放とNH○技術班の映像の違い…どちらが上とかじゃなく見せ方というか)みたいなものを感じ、他の作品も読んでみたいなと思いました。感謝です✨
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