黄昏小説家
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黄昏小説家

吉池マスコ

失恋の傷は・・・

ネタバレ
2024年9月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 失恋したばかりの小説家と出版社のアルバイトのお話。
失恋→新たな出会い→恋愛未満という感じかな。
20年付き合った恋人兼担当編集者・安田と別れたばかりの小説家・金春の原稿を取りにガサツで単純なアルバイト・田ノ原が現れます。男性としての魅力から言えば(単なる個人的な好みだけど)安田の方が断然上だと思うけど、安田の行動は疑問でした。お互い気持ちはあるのだから、連れて行くなり待たせるなり遠距離恋愛なりあったんじゃないかな。でも、経験のない家業を継いで従業員を養って行くことへの安田なりの覚悟とけじめだったのかな。金春を小説家に育てた安田は金春にとっては人生のほぼ全てと言っても過言ではないんじゃないかな、金春の気持ちを思うと本当に切ない。
そんな大失恋の後に現れたのが、全然似たタイプではなくて強引だけど軽率でデリカシーがない感じで・・かえって振り回されるうちに気がまぎれるのかもね。
絵は素朴で好みが分かれるかもしれませんが、ストーリーと相まって味があると思います。
星4.5
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