後宮の獣は愛を孕む【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】
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後宮の獣は愛を孕む【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】

じんにくれーちぇ

中華王朝、獣、豪奢

ネタバレ
2024年9月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の涙星のなんと美しい、着飾った涙星、美しすぎる。
架空の中華王朝を舞台にし、獣を起とした蔑ませる存在の亜人が後宮に侍るという設定からして堪りません
中華王朝の何が好きかって巨大すぎる権利と特殊世界と時代による倫理観の欠如でとんでもないことをしてる歴史です。なので植物によって男の腹に子宮を作り…という設定と亜人の扱いが単なるファンタジーを超えてきます。

後宮で生き残るためにテンゲルを利用しようと画策する皇后候補だった涙星。
テンゲルの大きさと強さにすっぽり埋まってしまう華奢な涙星が精一杯虚勢をはり素直なテンゲルを翻弄(えっちがすごい、翻弄されてるのはどっちか?展開が堪りません)していく。
テンゲルの身体の大きさに伴い、自分のしたいことはします。っていう身分も立場もその強さだけで薙ぎ倒す感がすごく好き。
身体は大きいのにえっちなことは初めてです!というフーフー感が堪りません。白抜きのシルエットからそれはもう巨大で涙星の小さい手がかわいい!

高慢の極みで倫理観を愚弄してるともいえる皇帝、すごくいいっ!登場しているコマ数は少ないにも関わらず、的確にきっちりと漏れなく涙星とテンゲルに嫌な事をする職人技です。彼の最後はもしかすると涙星が行く道であったかもしれないと思うと同時に、涙星は人生のその度に柔軟に強かに生きる強さがあったのだとテンゲルの野生の強さとはまた違う確かな強さがあるんだなぁと、纏足をちょこんと履いたあんなに小さい足でなぁ、えらいなぁ、かわいいな、狐の黒いあんよとちんまりした纏足…とケモノはもともと好きなジャンルであったのですが、その肉球に纏足というのが自分でもこんなに好きなのか!とびっくりするくらい気に入ってしまいました。
壮大なストーリーなのに、ちんまりした纏足にばかり言及してしまいますが本当にかわいらしいので注目してみてください。
あとケモノに戻ってる涙星の動きと表情も猛烈にかわいくて今年こそぜったい宮城県ののキツネ村に行くぞと決意を新たにしました。

設定の複雑さから手に取る事を躊躇している方ももしかしたらおられるかもしれません。私も複雑な設定は苦手です。ご安心ください。大丈夫です。説明臭くなく、絵とストーリーで自然と物語に夢中になれる説得力がある傑作です。
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