禽獣の系譜
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禽獣の系譜

花郎藤子/石原理

1997年のお話し、今読んでも面白いです

ネタバレ
2024年9月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 甘くないBL。そしてヤクザという反社会的な組織にまだ『夢』があった時代の物語。烈が可哀想で切なかったです。実に世間知らずでコミュ障のお坊ちゃま。父という後ろ盾を牛ってしまってからは幹部にいいように弄ばれ慰み者されてしまう。好きな人とそういう仲になるけれど、相手からは恋愛の意味では愛して貰えないですし。唯一の友達と相思相愛の恋愛関係になるかも、なんて期待は友達が同性愛者を友人として受け入れるのに時間が必要なほどで、これは完全なる読者の妄想で終わります。彼の息子には愛されてたけど、烈の心はその父親のもの。最後は彼の息子に組を渡し自死なんて… あまりにも死に急いだ生涯。愛してくれる人がいて、生きていれば楽しいことがあったのに。何であのタイミングで?生き辛かっただけの人生、最後だけは自分の意思で決めたかったのかな?
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