もう少しだけ、そばにいて
」のレビュー

もう少しだけ、そばにいて

白野ほなみ

泣いたけど終わり方は好みではなかった。

ネタバレ
2024年9月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 230p超えでボリュームは満足。最初から最後まで、不条理と共に生きる物悲しさと苦しさ、愛しい人を思いやる優しさと温かさに満ちた物語でした。晴人の絶望が深くて泣いてしまった。二人の仲は盤石なのでそういう意味では良かったんですが。終わり方だけ好みではなかった。まずどういう形であれ死ネタは好きじゃないです。ていうのが大前提。最後、晴人のメモがほぼポジティブな、明るい内容だったので嬉しかった。だからこそ、安楽死の書類、これはついに使わなかったね、で終わってほしかった。死は、時間の問題だったのかもしれないけど、大切な人が老衰で亡くなるのか、自ら亡くなるのか、残された方の気持ちは違うと思うな。綺麗事と思われるかもしれないが、心が安寧だったのなら、それでよかったのではと思いました。穏やかな死が約束されているからこその安定というのもあるかもしれませんが。実際問題、判断力の衰えた人に対して安楽死は認められないのではないかと思いました。なにはともあれ、こんな重大な決断を作中一度も責めず否定せずの晃の愛の深さがとても記憶に残りました。この作品はXを見て知ったのですが、最初に描かれたという4pのシーンがなくて少しがっかり。あのシーン好きでした。
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