凪のお暇
」のレビュー

凪のお暇

コナリミサト

生き辛さを笑い飛ばす

ネタバレ
2024年9月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人生の中でこんな風に『お暇』をとる時間は誰しも必要なんじゃないかかと思います。老若男女問わず誰もがみんな立ち止まらないイワシの群れの住人なのかもしれない。主人公の凪を取り巻く人々のある意味群像劇。みんな完璧じゃなくて、でもユーモラスでチャーミング。幸せの定義ってなんだろうと改めて考えさせられます。どの人も間違ってるところがあるし正しさとある、決めつけない描き方が絶妙で作者の力量が窺い知れます。主人公の凪の自他ともに向けられる分析力が切れ味よくて面白い。人間観察が得意な作家さんなんだろうけど、根底に人間に対する確固たる愛を感じます。凪をキレイに描きすぎてないところが読みやすいです。慎二とゴンをめぐる恋愛関係もどう決着をつけるのか気になるところではありますが、3人ともダメダメなところと魅力的なところを均等に描いていて読んでてモヤモヤしたストレスがなく楽しいです。両天秤で比較してる感じのいやらしさを感じないからでしょうか?この話は恋愛が主軸ではないと思うし、むしろ登場する全てのキャラクター全員の『お暇』がどういった形で終わるのか、その時何が始まるのか、それを楽しみにこれからも読んでいきたいと思います。
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