魔王と勇者の戦いの裏で
」のレビュー

魔王と勇者の戦いの裏で

葦尾乱平/涼樹悠樹/山椒魚

斜めから来た英雄譚とでも言いましょうか。

ネタバレ
2024年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本格骨太ファンタジーなのでは?
表紙のカッコよさに惹かれ1巻無料の誘惑に負けページを開いたが最後、作画にも個性的なストーリーにもずいずいとのめりこみ、あっという間に電子コミック大賞クーポンを使用して既刊全部一気読みですよ。
ポイント極貧民だけど後悔はなし!青天白日!明鏡止水!直王邁進じゃ!!(泣)

原作は読んでおらず、そもそも転生作品と知らず読み始めました。
英雄譚か?伝記ものか?くらいの気持ちで。
ページを開いてまず扉絵の木漏れ日の美しさに引き込まれちゃったんですよ。
美しい少年二人が木漏れ日の中微笑む平和なシーン。
大好きだ!!
そもそも中世の雰囲気とか、英雄とか、ごっつい騎士様とか、パブリックスクール的制服男子とかw大好きでなりません。

主役ヴェルナーのモノローグ主体でお話が展開されてゆくのですが、転生者だけあって物知りチートは付属してましたがそれ以外は彼の見聞や熟考する冷静さの賜物がストーリーを引っ張っていく感じ。
なまじ未来を知っている転生者だけあって回避する努力が凄まじいです。
軽めの転生作品だとコメディー要素なんか加わっちゃって小手先でちょいちょいして回避OKなんてこともありがちですが、血みどろドロドロになりながら冷や汗かきながら生きるため作戦を立てて戦うんですね。
すごく好きですね。
泥臭くて。
真面目に生きる一人の人間の愛情や友情や信頼なんかをきちんと描いている作品だなぁと思いました。
でも、重すぎないんですよね。
説教臭くないというか。

ヴェルナーと勇者マゼル。
ふたりがこの先どうやって戦い抜くのか、信頼でつながった仲間たちとどう切り抜けてゆくのか。
まだまだ謎がたくさんあるので、続きが楽しみで仕方ありません。

作画はぎっちり描き込む系とでも言いましょうか。
少し粗めの線でガシガシと力強く描かれているのですが、だからこそ繊細な雰囲気が伝わるような気がしました。
スゲーかっこいいんだよ。
ヴェルナーのお姿とか皇太子のお姿とか血みどろのマックス親父とか混沌とした戦闘シーンとか…。
キレイで美しいだけじゃ伝わらない部分がありましょ?
言葉も沢山描き込まれていますので、全部逃さず読んでいると目がしばしばしますww
私は好きですけども。

追いかけ出待ち作品がまたここに誕生しました。
幸せなことです…。
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