君に降る言の葉は【単行本版】【シーモア限定特典付き】
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君に降る言の葉は【単行本版】【シーモア限定特典付き】

イズミハルカ

青春BL部門…ないのかなあ??

ネタバレ
2024年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 電子コミック大賞に投票するにあたり未読の作品を順々に試読した中、BL部門で一番惹かれました。BLはBLでも、青春BL部門ってないのかな。迷わずこちらの作品を推したいと思います。
現在単話を3話まで無料で読めるのですが、この3話の最後のシーンにやられてしまった。キューーーーーンですよ、コレ。もう、どうしよう。
そしてなんと本日(あ、もう昨日だ)9/30に単行本が配信されている!これは買っちゃう。読まなくちゃ。

主人公日向は高校一年生。通学中の電車で小説を読むのがルーティンなほどの本好き。最近はこんな風景、見ないですねえ。無自覚でおせっかい、言葉が真っ直ぐ過ぎて中学時代ハブられる経験を持つ。
車内で日向の本を覗き込んで一緒に読んでいた雪人は、実は日向と同級生。金髪オールバックのヤンキールックは、人と関わらないための雪人なりの処世術。そんな雪人が見た目を変えてまで関わりたくなった相手、理由とは………

作品タイトルの通り、言葉が大事にされている作品です。作中、本との出逢いに関するセリフがあって、それはそのまま本に限らず人との出逢いにも言えること、と昔から思っていることだったので、日向に共感します。
そして、モノローグが多め。
ただ単にキャラクターの心情が解説されているようなものは嫌だけど、この作品のモノローグは言葉の重みを知っている日向によって語られるだけあって、熱量はありつつも丁寧です。
また、日向のモノローグは素直な感情の吐露が瑞々しく、雪人パートのモノローグはどこか儚く、そのまま作品になりそうなほど詩的。同じ作者先生の言葉なのに、モノローグにもキャラクターの個性が出ていて面白いです。

この作品の作中作品である「雪の果て」について。
日向はこの作品には自分のことが書いてあると感じたんだろうなあ。一番辛い時に出逢い、すがるように読み救われたであろう日向が、こんな文章を紡ぎ出す雪人のことを好きにならないはずがない。
1話の最後、恋が始まりそうな場面での、ヒキとしての使われ方がとても良い!私もこれ、読みたいなあ。

個人的な好みとしては…電車の中で日向と出逢った時の雪人がめっちゃ好きです。カッコいい。ポーカーフェイスが過ぎるところも、その顔が日向によって崩される様もまた愛おしい。
作品としては完結していますが、番外編で少し進展した2人も読んでみたいです!
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