狼の花嫁
」のレビュー

狼の花嫁

りゆま加奈

シリーズ1不憫で健気なルーイの成長物語

ネタバレ
2024年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ でもあると思っています。
りゆま加奈先生の代表作と言っても過言ではない、狼シリーズ3作目!!
民族衣装も大好きなんで、特にカラー表紙は並べて飾っておきたい位美しくてため息ものです‥!

大好きなゼスとルーイの物語。決して平坦な道のりではなく、序盤から前途多難な政略結婚の幕開けから、困難を乗り越えていく2人の絆は長編ならではな読み応えだと思っています!!

また、ユルール編を希少なCPなら、こちらは前例なき番かな。 何といっても、狼の国始まって以来の隣国から迎え入れた花嫁。この先の新しい時代への象徴と言えるのでは、、

また、5巻 巻末にてシリーズ全てのキャラのショートストーリーが読めるので、そちらで気になれば他のシリーズも手にとってもいいかもしれません。狼くん達にも癒し~!

西の大国の王子として育ったルーイがもう絵に描いたようなどん底の生い立ち過ぎてしんどい!!
嫁ぎ先の狼の国でも居場所のないルーイ、ユルールやジグルの優しさ触れ笑顔を見せてくれるのが、唯一ホッとできる瞬間です。
肝心のゼスは表情が乏しい上にだんまりさんな為、中々距離が縮まりませんがユルールの揺さぶりもあって、彼なりに気にかけている様子や優しさがもぅキュンキュンきます。
更に壮絶な過去を打ち明けられずにいるルーイに差しのべられる温かい手やセリフが、後に自身を支える原動力にもなっていきます。

またルーイの父であるザハブ王がこれまた本当にろくでもない人物で、反乱分子を生み出し両国に亀裂が入る事態を招くとんでも王。あとがきで、りゆま先生が譲れなかったと言うアズラクに向けた最低の一言。あぁ、もうこの台詞1つでザハブ王の人格が窺い知れます!採用してもらえて良かった(笑)

ようやく訪れた穏やかな日々がアズラクによって一変し、国同士を巻き込む波乱の数々と緊張の連続に、行く末を見守る手に汗にぎります!
今まで流されるだけで、受け身だったルーイが初めて自分の意志で選んだ道!
そして、ルーイが1針1針思いを込めて刺繍を施したハンカチを胸に最前線へ向かうゼス。皆の想いが錯綜する中思わぬ形で決着が着きます。 新王ハシの新体制の元、益々繁栄していくであろうこの国の未来はユルール編へ。

読み返す度に2人の幸せの裏側で、罪を背負いながら救われているアズラクを想像してしまう自分がいます‥
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!