このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ最高の頭脳を持つのが理由か、飄々として真意を見せない性格が理由か分かりませんが、夏目が主役になってからおおよその展開どころか何一つ先が読めなくてストーリーとしては面白いです。
夏目の「好きな人には好かれない」というジンクス?って、何が辛いかってきっと「好きではない人には好かれるのに」という事だと思うんです。手嶋の場合は、神谷以外の誰も相手にはなり得ないという点で、夏目だろうが他の誰だろうが玉砕しかなかったと思います。だからこそ友人の道を選んだのでしょうし。
でも、次に行くのなら誰にでも同じ態度はやめた方がいい気がしました。現実にもいますよね「誰にでも優しい人」って。そういう人に「好き」と言われても、私なら信じられないって思うかな。自分だけが特別と思える何かを行動で示して貰えない限りは不安が消えないでしょう。今回みたいに「自分に自信がない(しかも相当に)相手」ならなおさらです。ラストでただならぬ誤解も生まれたことですし、これからどう挽回・信頼を回復するのか気になります。
IQ150頭脳を持つ人に「同じミスは二度とするな」とか「一度見たこと・聞いたことは忘れない」とか言われても素直に指導を受け入れられる気がしませんけど、「医師というのは一生、一人前にはならないかもしれない仕事なんだよね」というセリフはストンと腑に落ちました。天才で判断・診断も早く的確なのに、決して驕らない姿勢は尊敬できるし、だからこそ皆が憧れるんだなと納得しました。