このレビューはネタバレを含みます▼
哲学科出身者として、この作品を読めて最高でした(語彙力)
絵はもちろん綺麗ですし、性描写のアングルも素晴らしい!
あと、洗浄のところとか、いきむ感じとかって段階踏んだ表現がちゃんとリアルで、BLはファンタジーを楽しむはずなのに東京のどこかの大学にふたりがいるようなそんなリアリティがありながらもBLならではの世界観に浸れてよかったです。同じだと魂の片割れにはなれず、違うからこそ欲で惹かれあう…まさしく饗宴になぞらえた2人の関係に感動しました(体からの関係っていうのもまた良い!!!)
能美先輩の告白に今回、久々に魂が震えて涙が出ました。
よかったのは、自分の家庭環境だったり、自己肯定感が低いであろう原因を言葉で表さなかったところ。よくあるBLだと、俺さ…で絆されて…好きみたいな感じだけど(それもまたよきかな)人を生い立ちとかいうかたちでなく、思考という内側で理解し、恋していったのがとてもよかった。
一巻完結の中でこれだけ心の描写が上手く書けて最後までまとめてくるなんて…まさに感無量。
哲学書に触れる機会もなくなってしまったけど、久しぶりに饗宴から読み直そうかな。読書の秋に出会えてよかった、そんな作品でした。