貝の声を聞け【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
テラシマ
このレビューはネタバレを含みます▼
クローズドゲイの公務員。日夜、裏アカでディスりまくる。純粋だけど性格悪いなぁって思われる前半。
クローズドがトランスに文句を言う。被害者ぶって加害者だと。なかなか辛辣。隠しておきたい人には、堂々としている人は眩しすぎるし、その影をいつか照らされることを拒む。
ゲイであることを母親のために隠し、周囲の心ない声にディスり諦め、一生ひとりで生きていくと決めていた有輝。
アドレスホッパーで作家の潮。強面かと思いきや、陽キャのコミュ力おばけ。有輝を友達と呼び、なんやかんやと関わりをもつ。潮は離婚経験者。孤児であったことから、家族を知りたくて早くに結婚したが…無精子症がわかり疲弊した過去がある。
間借りしている家主の孫はトランス。女性を嫌悪する有輝は強く当たる。
色んな問題を抱えたキャラたち。子どもを作れないことを「調度いい」と思われたくないけれど、有輝と友達以上の関係を築きたい潮。
エチはなしだけど、色々考えさせられる作品だったな。
貝殻を耳にすると聞こえる音。身体を流れる血の巡りの音、心の音。タイトルはメタファーだね。
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