このレビューはネタバレを含みます▼
SNSインフルエンサーの瑛人×ヤンキーDKの真木のお話で、表題作のみ全5話+描き下ろしで合計171ページ。高校生ながらも多くのSNSフォロワーを抱える瑛人が、偶然見かけた手作りお菓子の写真が、同級生・真木が上げたものだと知って…というストーリーです。いや、ギャップ萌えという言葉は真木のために作られたんじゃないかと思うほど、真木のギャップにやられました。周りに馴染むために自分を偽って自分なりの「男らしさ」を追及してきた真木が、瑛人のお陰で徐々に自分を肯定できるようになるんですが、「らしさ」とは何か考えさせられます。初めて他人と共同作業をしてSNSに上げた写真が褒められて、ちょっと恥ずかしいけど嬉しい、みたいなごちゃ混ぜな感情がすごい伝わりました。真木の自己肯定感を改善するだけのストーリーかと思いきや、実は瑛人の方にも成長があって、なんでもソツなくできてでも何にも必死になったことがなかった瑛人が、初めて真木と真木が作るお菓子に夢中になって、一つのものに対して熱意や情熱が生まれてくるような。自分しか知らない真木に優越感とか独占欲が芽生えてくるのもすごいナチュラルで入り込みやすかったです。真木が作るお菓子も普通に美味しそうで、読んでるうちにお腹が減ってきました笑。ピュアピュアDKのままで終わるのかなと思ったら、きちんと描き下ろしで回収されたので、大満足で読了です。