苦労性の自称「美オーク」は勇者に乱される
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苦労性の自称「美オーク」は勇者に乱される

志野まつこ/れの子

何があっても心も体も丈夫

ネタバレ
2024年11月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 出だしを読んでまぁいいかな、と他の作品を読み進めようとしてた。履歴に残っていたのでちょっと見返したら、一気に読んでしまった。ハルの語りが面白く、心の中と実際に言っている言葉の塩梅も良かった。読者には心の中を見せているが相手には言ってないじゃん、という作品て結構多い気がするので。ハルは思ってることは伝えている。まぁそれを都合よく受けとめられて、えぇ~という展開になり、流されて絆されて、遠い目をして諦めることになるけど。ありがち誘拐も拉致監 禁じゃなくてホイホイついて行ってしまったのも可哀想可愛い。オークのハルが常識人で気遣い屋で恥じらいも行動力もあって、自分を排除しようとする人にも優しくできるし、自分勝手なことする人にはフォローいれて体面まで守ってくれる。大好きな陛下の治める小国の安泰の為になんだかんだで変態カイルへの人身御供となることを受け入れる器の大きさよ。こんなの周りのみんなが好きになるよ。自分は濃厚エロ好きではないので、丈夫で快楽に弱いオークで回復魔法もかけてもらっているからな、事後に心を無にして、カイルの無体ぶりを知っているみんなに優しくしてもらって美味しい物たくさん食べさせてもらって、と見守っていました…。カイルもハルが大好きで魔力切れ状態でも彼のしたいことを一緒にして、ハルが喜んでいるのを見れば嬉しくて笑顔になる。鬼 畜でも何を言われようと全てを敵にしてもハル一途の強くて重い愛があるんだよね。テンション高めの作風の中にもハルは時折人間だったころの記憶やひとりぼっちで暮らしていた頃を思い出して切なくなるのがこちらもちょっと涙目に。絆されていっても心の中でカイルをバカ呼ばわりして、無意識に振り回してやって、端から見たらバカップルみたいなことになってても幸せに暮らして。あと、タイトルに「変態勇者」と入れないで「乱される」としたのも品が良い。エロ、執着、溺愛、Ω、偽装結婚、悪役令嬢令息系などはタイトルはあってないような昨今だけに。それにしてもルディがあんな風になるとは。作者さんの好き放題してる?このキャラ手に入れたときやった!ってなった気がする。ハルもカイルも陛下もルディもリリアもバルドスさんもバートンさんも隊長も副長もみんな強くて、やらかしても酷いことしてもされてもくよくよ暗くならずメンタル強くて安心。
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