融点 [完全版]【タテヨミ】
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融点 [完全版]【タテヨミ】

Bulgama/Gyougyul

日本人設定の割に、中身は韓国の社会観。

2024年11月3日
表題通り。キャラの名前こそ日本人になってるものの、思考や発想・言動はまるで韓国人の社会観。
第一に、キャラクター性を体現するキャラの名前が悉くなってない。キャラの性質と何らマッチしていない。ヒーローの名前なんかDQNネームそのものだ。
そしてこれも韓国的社会観なのか、やたら登場人物の中に『会長』だの『理事長』だのと、世界観の小さい割に仰々しい修飾をしたがる虚栄主義が薄ら寒い。フルネーム呼び一つとっても、これは苗字のバリエーションが少ない韓国だから必要なだけで、日本でそんな呼び方は必要がない。いかにも分かりやすい成金趣味な住まいだったり装いだったり、日本人って設定を組んでるわりにこう言う描写がいかにも『ザ・韓国』そのままなのは何故なんだ。出版側の都合なのかわからないが、下手に日本人キャラに再編集する事で本来の作品の世界観が中途半端でいい加減な内容になるくらいなら、最初から韓国舞台でスタートした方が作者にとっても読者にとってもずっと良い。
そして何より腑に落ちないのが、『ヤバい世界で生き死にの凌ぎを張ってるはずのヒーローなのに、何故彼の頬はあんなにも繊細な色白ピンクをしてるのか』と言う事だ。
警戒するヒロインを妊娠させた挙句、無理矢理車に拉致るような『ヤバい世界で生きてる、好きになっちゃイケナイ危険な色気の漂う男』は、あんなに初々しい桃色の頬なんかしていないし、してちゃダメなはずなんだ。そういうビジュアルとしての瑞々しさや初々しさは、ヒロイン側の属性だ。
そして要所要所セリフの翻訳が絶妙にダサいというかおかしいというかなんか下品な所も気になった。使う言葉ひとつ・表現一つでそこから派生するキャラの造詣効果は無限に変わる。『漫画』が持つ表現性の醍醐味の一つがそれだ。
この作品は、登場キャラを読者に対してどのように魅せたいのか・印象付けたいのかがよく分からない。設定ばかりが一人歩きしてる感じで、キャラを通しての表現や描写性が追いついてない印象がある。

そういう幾つもの不自然さや作中の違和感から作品そのものに集中出来なかった点および、ストーリーとして面白いのか面白くないのか無料版ではよく分からない点、逆に言うと無料三話通して作品世界に引き込まれなかった…と言う理由から、星三つになりました。
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