恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。
」のレビュー

恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

永野水貴/とよた瑣織

2人が湖の見える館に佇めるまで先は長い

ネタバレ
2024年11月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 6巻まで読了というか一気読み。
ブライトのありがままを受容した母デイジーはロイドのありがままは受容できない。父ブライトも然り。社交界でのロイドは、誠実な貴公子ぶりを発揮し、理想の恋人とも評されるが、その中身は王太子も評する「空虚」故できる振る舞い。しかし、交際相手が社交界で嫌な思いしないよう裏で手を回すまでする貴公子ロイド、凄すぎ。
これで本当に愛した人には激甘だろうと思ったら、実に激甘。
元の世界に戻れても、王家、ルイニング家そして魔法管理院と対立すると思ってたら、さらに隣国、謎の宗教団体、魔法や研究教えて〜と言ってくる謎の人たちが登場し、混迷の様相。
ロイドとウィステリアが2人で誰も知らない館で話せる日は来るのか?サルティスは真の主を決めるのか?
まだまだ先は長そうです。
ところで、ブライト、公爵家に仇なす者への冷徹な対処が怖すぎ。アイリーン王女、お前はかぐや姫か!
6巻読んでて、ウィスの同僚等の喋りが頭の中に響いてけたたましいくらい。ウィスも初めての町でそう思ったのかなぁ。描写が他のシーンと違う。背景描写なく台詞で畳み掛けていく。文章だけで、未明の地の暗さ、静寂さ、孤独さ、反対に町の賑やかさ等まで伝えられる力量に圧倒されました。
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