うちの捕虜だった聖騎士様の執着が怖いんですが自業自得ですか?
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うちの捕虜だった聖騎士様の執着が怖いんですが自業自得ですか?

秋山龍央/逆月酒乱

命を賭すほどの相手ではない

2024年11月30日
瞳に金色が入っていて忌み子と蔑まれ続けたアドニスが、初めて自分を見てくれたリョウに執着するのはストーリーとして分かるし好きですが、このリョウが志も誠意も覚悟ない、根っからの奴隷根性が身についたザ・キング・オブ・モブでした。リョウはただの優柔不断ですが、頑張って薄目で見れば優しさと解釈できないこともないか・・?くらいの性質の男で、唯一良かったのは友人のラウルを見捨てなかったところです。あのシーンがなければもうどうしようもない。その時々で自分の得になりそうな行動を人の助けを借りながら取り続け、ラストのアドニスと一緒にいるようになったのも、助けてくれた隊長の計らいがあってこそ。リョウには、受けにあってほしい最低限の情というものが感じられない。1人でさっさと逃げ、途中成り行きでアドニスも合流・・みたいな展開で、作者さんのアドニスの執着攻めが書きたい情熱は分かりますが、もっとストーリーを練ってほしい。リョウは最初からアドニスの最大のコンプレックスである瞳を「きれいだ」と思っていたのに、ラストまでアドニスにそれを伝えることはないなんて、ここを押さえずにどこを押さえて物語を作ろうとしているんだろう・・と感じました。これ、この話の最大のポイントだと思う。着眼点は悪くないのに、全部外してお話が展開しました。
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