お伽話は地獄の果て、
」のレビュー

お伽話は地獄の果て、

市梨きみ

愛憎という言葉を懐かしく思い出しました。

ネタバレ
2024年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ ネタバレしてます。

一巻、冒頭で、これは待った方が良いなと。
二巻、にっちもさっちも…と察し、待ちました。
三巻、そろそろ大丈夫かなと、一巻から一気読み。んー😩最後は叫びました。

そしてもう一度一巻冒頭を読むのですが、次巻から始まるだろう本編がどんな色かと。「お伽話は地獄の果て、」の”、”から先を感じられるのかなと思ったのが、一巻冒頭、王子のセリフ…「あの時君は僕のものだった筈なのに、ねぇどうして僕を裏切ったの?」でした。

はぁ…このセリフだけで無限の夢が見れます。愛憎の関係性ってあったなと。
お前、裏切ったな…と湧き出た感情は殺意に等しく、それがあるからお前だけ、と強く想える。そんな縛り合う想い方がBLだったなと、懐かしくなりました。

裏切り(お前だけは許さない…などなど)からわく感情は、愛してると同じでは?と。そんな関係性あった😩と思い出してこの2人…と。尊すぎて震えました😩😩

そんな裏切りの原因になるのかなと思った、第一王子とレヴィの契約のシーン。。(ここの台詞が深すぎて、たぶん何度も読み返すと思います。)
ここでレヴィは、第一王子がサフィール王子を害さない契約を不可侵にして絶対〜未来永劫、世界との誓約…と言葉を変えるのですが、これはもう契約書じゃなくて聖書の様だなと。第一王子は神と契約をしてしまったのでは?と思ったら、レヴィは魔術師じゃなく「魔王じゃ?」と(曲が…)神々しいシーンでした。

「契約」という言葉の重みを想像すると、例えば神との契約(祝福、洗礼)は、それがあるからこの世にいても良いと。だから幸せになれると無意識から思える…それくらい重いものなのかなと思ったら、作中の契約は王子とレヴィの三巻までの関係性を壊してしまう原因になるのだろうか…と。レヴィが第一王子の様に上手だったらと願ってしまうくらい、裏切られたと縛り縛られ想い合っている2人が最期…レヴィが第一王子のトリックを知り魔王となって散ってしまわないかと(古のBLの如く…すみません😓)

情事描写は三巻通してありません…(これからはきっと✨)幼い王子が抱かれる表紙と王子が抱く内表紙(2巻の肋骨服…気高い😩)の尊さに、心の中で敬礼でした。
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