shilly-shally
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shilly-shally

しちみ

まるで凍て鶴の様な二人。

ネタバレ
2024年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 軽い気持ちで、アルという男の決定代行のバイトを引き受けたニコラス。そこから深い闇へと引きずり込まれるのですが、アルを突き放せないニコラス。
あの時。アルの手を取ってあげていたなら救われたのだろうか?もしもーたらればと後悔、思い描いたところで解決するのはアル自身。なのに、子供を傷つけ守れないのが大人の仕業だと見せつけられて痛かった。そんな事情を知らなかった最初、なんて優柔不断な男と眉を寄せた私でしたが。いやいや、そんな単純なものでは無いと判明した衝撃は、アルやニコラスの親に対する激しい怒りに変わりました。幼い頃のトラウマ、今も続く蛮行。どれを取っても、罪深い親の元に生まれてしまった不幸とだけの一言では、到底片付けられない。この作品に限らず、弱い子供達にマイナス面が集中することは本当に悲しい。アルが逃げおおせた事を嬉しいと思ってしまった私は非人間なのだろうか。アルがニコラスにしてあげた最後で最高のプレゼントが、養父〇しと手を叩いてしまった事は不謹慎だったろうか。その答が一般社会の一般常識で生きてる以上、分かっています。それでも私は、ニコラスと共に声を合わせて言いたい、フルコースで!
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