雲一族と泥ガール
」のレビュー

雲一族と泥ガール

三月えみ

作者買い、チグハグ感が否めなかった

ネタバレ
2024年12月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1、2巻171、3巻195ページ。
好きな作家さん、クリィミーマミのスピンオフ作品やBL作品も良いので読んでみました。
が、打ち切りとか以前に、どうしてこれで連載になっちゃったんだろう……という印象でした。2巻に収録されている読切『あねごころ』が連載になるはずが二転三転してこうなったとのこと……あれでは地味すぎると判断されたのでしょうか。ちょっと迷走した気がします。変更に変更が重なると、綻びが出やすくなると思うんですよね……。セレブ世界に飛び込む設定をメインに据えるのならば、思い切っておおもとにある大家族要素を切った方が良かった。
接ぎ木をモチーフにした家族の話、それ自体は良いと思うんですが、やっぱりあくまで養子という立場である主人公があそこまで強気なのがちょっと。血縁も無いセレブ一家のもとにあの勢いで居座れるって、なかなかに図太い……主人公のがんばりが浮いてしまって、入り込めませんでした。なんだかんだ言って、血縁というのはそう軽視できるものでは無いと思います。ってか、法的にはどうなってんだろう……正式な養子であったらそれなりに権利があるはずで七海家も放り出すことはしないと思うし、養子としての籍を入れてないのならそれは養父である金一郎が悪いよねぇ……。
ラストをまとめるためではあるだろうけど、七海家側のキャラクターがブレてる感じもあり、そもそも主人公の養親がどちらもセレブ出身というのも無理があったなぁって気がします。理屈屋にはツッコミどころが多く、もったいない感じでした。いろいろとモヤモヤが多くて、厳しめの星2つ。
また別の場所で、一般作描いて欲しいです。人情ものの連作なんか向いてると思っています。
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