イグナートの花嫁【単行本版(シーモア限定描き下ろし&特典付き)】
もりもより
ただ そばにいるだけで‥救われて欲しい!
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
待ってました!の、もりもより先生の新刊!!
ストーリー的にはどこか既視感のある設定ではありながらも、繊細な線で生みだされる独自の表現力と世界観は相変わらず圧巻です。
前作でも思いましたが、薄幸美人受け(←まだ確定してませんがほぼ間違いないかと)を描かせたら右にでるものはいないんじゃないかというリタの儚げな魅力か存分に詰まっておりました!!
生け贄として竜の元へと向かうリタが自らの生きる意味、自分の存在価値を確かめるべく前に進んでいく姿に、ひたむきな芯の強さを感じました。
ただ脆い部分もあって特に村での出来事が度々リタの心を苦しめるんですが、半人半竜のイグナートの不器用な優しさが本当に救いになっていて‥はよくっつけばいいのに!!とはやる気持ちを押さえつつ、当初の目的とは違う形での付きず離れずの2人の生活がね!良くて!時間の経過と共にじわじわ萌えくすぐられ、奥手なイグナートと意外と積極的なリタの対比がたまらんのです~!!
また、手が触れる瞬間や仕草に一瞬そこだけ時が止まったかの様な空気が流れる感覚に、もりもより先生効果?(笑)でも、ホントにスローで見えてしまうから不思議!
救えずに去っていく花嫁を幾度も目にした、少し臆病で優しきイグナートの心の傷と孤独な運命。リタもあの丘から見つけたんだろうな‥
ただ、シリアスだけでなく、イグナートの口からでる火をガスバーナー代わりにしたり、寝相の悪さでイグナートを唸らせたり、表情が読み取りにくいだけに、たじたじにさせちゃうリタがイグナートの心を開いてくれそうで、2巻も益々楽しみです!
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