このレビューはネタバレを含みます▼
ツンデレ攻め✕ヤ〇チン受けの大学生設定です。絵も話も丁寧に作り込まれているので、読んでいて全くストレスがなかったです。哲学という高尚そうなテーマを抜いてしまえばいわゆる王道ストーリーそのままですが、人物の心情描写が自然で無理なく進むので読んでいて心地が良かったです。強引なご都合設定も無いに等しいです。ただ一個、自己都合で攻めが受けに酷い態度を取ったのに、最後にはなあなあになっているところが読み終えた時に引っかかっています。そんなこと言ってないってしらばっくれるよりも普通に謝ってくれたほうがすっきり読み終えられたのにな、という感じです。
登場人物の性格については好みが別れそうですが、この物語は能美くんの剽軽さと臆病さのコントラストによって彩られていると思っているので、この性格じゃなければ成り立たない雰囲気、世界観であると思います。哲学といういかにもお高い学問と能美くんとの対比も面白い要素の一つかなと思います。
プラトンをあまり好きじゃなかった能美くんが、最後には「愛とは一つになりたいという願い」という結論に至るまでの過程を辿る物語でした。