ちよにやちよに【タテヨミ】
」のレビュー

ちよにやちよに【タテヨミ】

ゆき

シンプルな作画だけれども伝わる表情。

ネタバレ
2025年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 親の離婚という、子どもにとっての日常が根底から覆される出来事を引き金に物語が進んでいきます。
思春期の彼らにとって虫の羽音でさえ聞こえてしまう多感な時期に耐えて何でもないような顔をしてやり過ごさなければならない理不尽極まりない残酷な出来事。
子どもの了見で誰かを悪者にできるならばいいものをそこまで幼くないのが辛いところ。
主人公のふたりが孤島でつかんだお互いの手はぎくしゃくと離れそうになりながらも思い悩み傷つきながらもエンドまで…本当によかった安心した。

主人公ふたりの心の動きがセリフや表情でひしひしと読み手に伝わってきました。
かなりリアルにドキリとさせられるセリフも表情もありました。
特に樹くんの表情は寡黙な彼だからこそなのか切なくか弱くうつりとても切ない気持ちにさせられます。
親世代、主人公の友人、弟からも色々な感情が感じ取れました。
自分の通ってきた人生と照らし合わせ、整理がつかなかった気持ちを客観的に思い出させてくれたり、身内の言葉や表情が脳裏に浮かんだりして、大人だって初めての人生の道なのだから躓いたりもするものだとあらためて考えたりもしました。

丁寧にそして素直な表現で綴られてゆく物語から目が離せなくなり、腹をくくって全巻購入ww
高かった…。
220話×50pt。そしてタテヨミ一話のページ数が少ない( ;∀;)。
だけども、各話読み応えはかなりあります。
なので中だるみもなく、ええ?と言うところでぶった切られることもあまりない。
構成が本当にお上手なんだと思います。

中学生から大人まで。
親世代もそれぞれがきちんと成長して人として生きてゆく。
堪能させていただきました。
感謝!
いいねしたユーザ15人
レビューをシェアしよう!