夢で逢えたら覚悟して
」のレビュー

夢で逢えたら覚悟して

ドンドン

心理学を取り入れた夢魔のお話

ネタバレ
2025年1月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ フォローしている方のレビューを読んでずっと気になっていた作品です。サクッと読めるのに読み応えがあってとても面白かったです。

夢魔、夢のお話ということで、フロイトなんですね。作中にも夢分析という言葉が出てきます。抑圧された性的な欲望が夢の中に現れる、ということで、夢魔という題材にぴったりですね。

フロイトは、何かと性的なものに結びつけるところが嫌厭されがちという面があると思いますが、そこをBLとして笑いに変えているところがすごいと思いました。その笑いが、恋愛しているからそうなっちゃうよね、と共感できるのも、とても良いと思いました。

そして夢の中の絵が、フロイトと関連の深いシュルレアリスムを連想させます。これがゆる〜い感じで笑ってしまうんですが、なぜゆるいのかしっかり理由もあって…作者さんのセンスに舌を巻きました。
絵画だと動きませんが、漫画だと動きがあるところもまた面白いです。巨大なたんぽぽや個性あふれる奇妙な生き物たちがなぜそんな姿で出てくるのか想像するのも楽しかったです。

黒曜の夢の話だけではなく、望のほうも黒曜(石)の助けでトラウマの克服という話も出てきますが、全体としては明るく、かわいく、楽しく読めてよかったです。
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