このレビューはネタバレを含みます▼
最初から恋に落ちている二人が、お互い以外の選択肢を消す決定打が殺人だっただけで、どう紆余曲折してもこの二人はくっついていたんじゃないかなと思います。離れていても、相手のことを考えていたり、心の支えにしていたり、要は心を配っているのって、恋じゃないですか?その度合いが二人とも深くて依存気味なので、共依存ものだなあと思いながら読みました。殺人の動機が二人とも、相手への正当防衛寄りなのも凄まじい。相手が死んだら自分が困るから、相手を脅かす人を殺した、という意味では、自己防衛でもあるけど。
あらすじはサスペンスのようですが、漫画の内容は怒涛のエロなのもすごいなと思いました。〇薬みたいなsex、という言葉が作中で出てきますが正にその通りで、考えなきゃいけない現実の問題から逃避するような行為で、二人はお互いの思考回路を鈍らせる。でも、そうじゃない時に言葉を交わして知ったお互いの真意と心の一途さに、決心をつける。最後にやっと、その想いの増幅のsexに辿り着くのもすごい。交感神経と副交感神経のバランスのようで、綺麗な着地に見ていて惚れ惚れしました。
あと本当に…本当に二人が可愛い…!可愛い二人の可愛いスケベがたくさん見られて幸せ。亮さんは見るからに闇属性というか、執着攻めみたいなメンタルと見た目をしているけど、人を殺した後には手を震わせて怯えていたので、人の心があるんだ!と狂喜しました。その後楓さんのことで思い悩むのも可愛い。楓さんは光属性みたいに見えて絆され体質なのが可愛いです、判断力はあるのに心と体が引力みたいに好きな人に向いてしまう。これは父親に対してもそうです。一途でずぶずぶで可愛い!たまらん!亮さんはしっかり自認して自称もしているクズですが、楓さんも中々なのがいいです、お互い様。二人とも毒親に心が縛られて生きていましたが、解放のきっかけがお互いで、惹かれた相手もお互いだったのは、災難と言うべきか運命と言うべきなのか。
番外編の二冊も、最高!自分は特にスケベに対しての拘りはなくてシチュ重視派だと思っていたのですが、kanipan先生のスケベはストライクすぎる。なんか…リアルじゃないですか…?魅せる構図とか漫画的な表現とかより、sexの一部始終をただ見せてくださっているみたいな…。神、ありがとう、Thank you.