年下上司は褒められたい【単行本版】
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年下上司は褒められたい【単行本版】

みなもやかづき/.Poika編集部

雨宮徹という男の伸び代はあまりにも無限大

ネタバレ
2025年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ えー、まずはですね、みなもやかづき先生の華々しいデビューコミックス発売おめでとうございます。そして何よりBL商業デビューしていただいたことを心より感謝申し上げます。この先一生追いかけたい作家さんに巡り合えましたこと、BL読者として心が打ち震える思いです。
このボリューム、このストーリー、豊かな感情が乗った丁寧な絵柄…。税込1000円超えなど安いと思うレベルです。むしろ上下巻にしてもっと掘り下げてゆっくり展開してほしいくらいで、早く二人のいちゃいちゃが見たいという気持ちとこのまま読み進めて読み終わってしまうのが惜しいという矛盾した気持ちを抱えたまま拝読いたしました。そして188Pにある「END」の文字を見て驚愕。攻 め と 受 け が わ か ら ん ま ま 本 編 終 わ っ た ん か !!(紹介文には書いてるので正確にはわからんわけではない。「描いていない」という意味です)。これはすごい。もちろん描き下ろしでちゃんとらぶらぶえちちしてるので小冊子付単行本買ってる方は大大大大団円大満足でしょう。しかし、昨今のBL業界傾向の中、このストーリーで本編でのえちシーンなしの攻め受けをあえて見せない構成にしたのはすごい判断だと思います。本当に心理描写というか人物描写に自信のある作家さんなのだなと非常に強い感銘を受けました。紹介文にある「丁寧な人物描写」に偽りなし。これからのご活躍にもますます期待してしまいます。
さて、本作の感想ですが、タイトルの通り雨宮徹という男の伸び代が無限大すぎて口角も無限大に伸び切りました。なんなんでしょうね。頼れるしごでき男でありながら20代らしい若さというか青さがちゃんと残っていて、誠実であり、素直であり、努力家であり、芯が強く、真心を持ち、恋する人間であり、惜しみなく愛を注ぐことができる。柏木さんも言ってましたが、慕われないわけない。ほんで柏木さんも癒されて絆されてしまうわけですが、なんと柏木という男、タ チ で す っ て 奥 様 。ああ、神よ……………。タチが攻めにだけ開く門(物理)大好きオタクは無事に昇天し、浄土を垣間見、腹痛の時だけしか祈らない神に感謝を捧げ、先祖を敬い、この世に生を受けたことに喜びを見出し、菩薩の微笑みを浮かべながら、五体投地の姿勢でオフトゥンにくるまり、明日への希望を得ました。生きる糧をありがとう。柏木さん(の閉じられていた門)…。柏木さんの感想掘り下げたいのに文字数
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