隣の男
」のレビュー

隣の男

安西リカ/北沢きょう

「嫌いな男」スピンオフ

ネタバレ
2025年1月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 10年以上何だかんだで離れられなかった男と別れたばかり(でも未練たらたら)の伊崎と、フラッと立ち寄った居酒屋で偶然相席したおじさん・安原のお話。

「嫌いな男」で苦しい恋をしていた伊崎さんメインです!
彼にも幸せになって欲しかったから、この続編は嬉しかったです。

安原が良くも悪くも普通の中年っぽい描写だったのが萌えました。
今まで伊崎が好きになってきた男たちとは全く違う安原に徐々に心を開いていき、距離が縮まっていく様子がとても丁寧で、伊崎が惹かれる理由がよく分かります。

伊崎が前作の向居と同様、ちょっとしたところに同性同士の部分に引け目を感じていて、無意識なのか怯む様子がちょっと悲しい…。
今後は2人でゆったりのんびり幸せになって欲しいなぁ。

あと、元彼の各務が最後はスッと引いてくれたのが良かったです。
実際の彼自身の描写は少なかったのですが、伊崎の思い出補正上は完璧超人だったので、伊崎の中の彼が悪者にならなくてホッとしました。思い出は汚したくない気持ち…分かります。

ただ、挿絵の安原がとてもじゃないけど40代に見えず、表紙なんかだとむしろ伊崎より年下に見えたのが残念。
良い感じに枯れかけた不惑の肉体のはずが、バキバキだったのもなんか違う(笑)
本文で何度も年相応の老い表現があったので、もう少し本文に寄せて欲しかった気はします。
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