官能童話シリーズ
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官能童話シリーズ

犬飼のの/笠井あゆみ

官能童話シリーズ第5弾

ネタバレ
2025年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 家具職人のミルフェと、100年前魔女によって小さな妖精にされてしまった王子グレインロードのお話。

官能童話シリーズといえば近○相○(笑)と、明るく爽やかとは言い難いちょっとほの暗い世界観のイメージでしたが、この作品はいい意味で覆されました。
今までのシリーズとは一線を画す、展開は正反対の方向性と言ってもいいのではないでしょうか。
ミルフェとグレインロードはただひたすらに一途に想い合っており、純愛ストーリーでした。

途中、グレインロードは本家おやゆび姫に倣って(?)川に流され強制的に旅に出ることになるのですが、正直妖精王の魅力にハマり1年くらい帰ってこないかと思ってました。本当にごめんなさい。

旅から戻り2人は再び愛を確認し、改めて魔女に人間に戻してもらうようお願いに向かいます。
ここでもう一捻りくらいあるのかと思いきや、結構アッサリハッピーエンドだったのがちょっと残念でした。
他の官能童話シリーズを基準に考えると薄味なんですよね。
別に話自体が悪いわけではありませんが(むしろこっちの方が精神衛生上良い)、官能童話シリーズだと思って読み始めているものだから、もう少しエグい展開とかを期待していたわけで…(笑)
理不尽な不満だとは思うのですが、今までの官能童話シリーズのクセが強すぎました。
シリーズと銘打っていなければ別の見方が出来たかもしれません。

ところで、今回の作品で一番楽しめたのはドールハウス(好きなんです)。
小さなお家なのに精密! 家具は本当に使えるクオリティ! 心が躍りました。
ただ、伯爵邸の1階部分のみとはいえ、普通の家の部屋の中に1/6サイズの模型が入るのでしょうか?
この辺は私の想像力が乏しいせいで縮尺のイメージがつきづらく、単純に疑問でした。
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