ラブシッター【イラスト入り】
」のレビュー

ラブシッター【イラスト入り】

夜光花/周防佑未

お互いの欠点が2人の関係を繋ぎ止めている

ネタバレ
2025年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 夜光花先生の作品続けて色々読んでおりますが、「愛にふれさせてくれ」「深紅の背徳」など、どうしようもねぇ攻め書くのが本当にうますぎると思います。人間味ありすぎる、欠点や短所を包み隠さない攻め。今作の攻めは、受けのこと無理矢理従わせて身体を奪うし、手もあげるし、自分の気持ち上手く伝えられない人です。でも、そんな攻めのことどうしようもなくヤンチャな犬に例えて、なんか憎めない。元気ないと気になっちゃう、というふうに受けの気持ちが変わっていくのは良かったです。最初は隣の動物病院の幼馴染が攻めかと思ってましたよ。前島、受けに複雑な気持ちを抱いていて見合い結婚させられそうになり、椚とかいう、いけすかない野郎がまた現れて初めて自分の気持ち自覚するパターンくるか?と思ったら来ませんでした。この前島さんが結構受けの性質見抜いてて、受けは人間に興味ない。犬と戯れていられたらそれでいいんだろ?とかバッサリ言ってくるのなんか小気味良かったですね。別にそれが悪いとも言ってないし、前はそれでも良いって言ってたじゃん!な受け、完全に罪悪感抱いてて、前とは違う感情を見せてくれて、この辺から攻めへの気持ちが変わってくる描写が好きかな。ラストまで読んでも、受けと攻めが普通のカップルみたいにラブラブとまではいかない感じが、攻め可哀想なんだけど笑犬みたいに舐めるなよふふふエンドは個人的にかなりハッピーエンドだと思うしほっこりしましたね。いや、あなたが思うより受けは攻めに惚れてるよ?と思う。確かにたまには好きだよって言葉で伝えて欲しいけどね〜なんか、攻めの方が女々しいのも可愛いかなーって。攻めは激ヤバ女と結婚歴があったり、自暴自棄というか、頭ピーマンか?というところもありますが、これからは受けのこと大切にしてくれるって信じてる。一度好きになったものには、深い愛情を捧げる攻めとか良いよ…その背景となった攻めの過去も。受けがあんなに動物ラブなのに攻めには塩、と見せかけてこっちも特別な感情抱いてるのも良いよ。本当に人物を詳細に描くのが得意な先生です。面白かったです。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!