ライオンハーツ【単行本版】
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ライオンハーツ【単行本版】

三田織

お互いのために強くあろうとするライオン達

ネタバレ
2025年2月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 真宮獅子丸と及川礼央は小さい頃からの唯一無二の親友で、違う高校に通うようになっても帰りはいつも待ち合わせて一緒に帰ります。幼い時は好きという気持ちになんの執われも無かったのに、思春期になった獅子丸は自分の正直な気持ちに蓋をして見ないようにしています。でも自分の高校の文化祭が終わるまでは忙しくて一緒に帰れないと言ってきた礼央が、女の子と仲良さげに歩いているところを見かけてモヤモヤしてしまうのでした。どうしようもなく好きな気持ちと周囲の目を気にしてしまう不安な心、この二つの間で葛藤するDKたちの姿が340頁超をかけて愛しく、時に切なく丁寧に描かれます。扉絵の、ウェディングベールを被りタンポポの綿毛を持つ二人の姿が、幼い頃と高校生の今の二人の変わらない気持ちそのままです。タンポポ(ダンデライオン)を始め、紫陽花、立葵、ドングリやコスモスなどがさり気なく二人に流れる時間を優しく彩ります。転校当初のフードを脱がない礼央がとっても可愛らしいです。
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