囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

理想

ネタバレ
2025年2月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 矢代が浄瑠璃 歌舞伎などの古典芸能で男性が理想的な女性を演じる特徴を持っていて歌舞伎の名場面も漫画で描かれていて感心しました
百目鬼を反社の世界から足を洗わせたくて銃を突きつけるコマが 愛想づかし と言う歌舞伎の名場面の構図にそっくりです
女性漫画で女性に矢代の様な全身全霊で相思相愛になった相手に己を捧げてしまう役をつけてしまうと嘘臭くなってしまうのですがそこに葉隠れに代表される武士道を絡めると雨月物語の様な古典文学の薫りもしてきます
性的加害者側の父親に育てられた百目鬼が不能になり被害者側の矢代に救われて相思相愛になった百目鬼に抱かれた矢代が百目鬼以外の人との性的行為で不能になり自分が被害者だったことを突きつけられる展開もお見事
典型的な現代劇 母子家庭 ネグレクト を描きながら古典芸能古典文学をはらんで進む物語に感嘆しきり
同じ時代にはじまって一足お先に完璧な幕をひいた 憂鬱な朝 同様に百目鬼と矢代にも幸せな幕を閉じて欲しいです
追伸 矢代の名前は最後に明かされるのでしょうか?
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