このレビューはネタバレを含みます▼
確執のある家の息子同士でようやく恋人に。でも恋人の光が事故で死に、寅も飛び降り自◯…。でも寅は目覚め、そこは250年後の世界で、目の前には光そっくりのアンドロイドであるヒカルBがいたーーという人間とアンドロイドのお話。
人間の光はもういないという切なさは常に漂い、それでもヒカルBがいじらしく見えてヒカルAに代わったときにまた切なさを覚える。そしてヒカルBとも離れ離れになり、また250年。どれだけ切なさを感じればいいんだ!
ラストはハピエンなんだけど、(これは個人的な妄想だけど)本当にハピエンなのか。250年後の再会について、2人が離れ離れとなった地に寅が探しに行って再会するなら分かるけれど、ヒカルBがオゼに向かう確証もなく、寅がオゼを目指して再会なんてあり得るのか。ヒカルBのエネルギーは無限なのか。どうやってオゼに辿り着けたのか。250年どうやって動いてこられたのか。寅の倒れたところは荒野っぽいのに、2人が出会えたオゼは湿地帯。じつは再会は寅の”意識の中だけ”の出来事だったのではないかとさえ思える。。。
2人の再会が現実だったとして、2人はあの何もない湿地帯でどうやって生活していくのか。そして寅は90%が人間であり、いずれ老い、死が訪れる。そうなるとヒカルBはどうなるのか。。。
などなど、読後はいろいろなことが頭をめぐり、本当はメリバなのかも、とも考えた。でも素直に描いてあるとおりに捉えて、2人は再会して、その後幸せに過ごしたと思うのがいちばんいいのだろうね。山中ヒコ先生のBLは本当に感情が揺さぶられるなぁ。