Kの支配者
」のレビュー

Kの支配者

奥田枠

興奮でのたうち回っている

ネタバレ
2025年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品はモロに自分好みで、興奮でのたうち回っている。

坂滝を支配していたKが死んだ。
果たしてその真相は…!?というところから物語が始まる。

坂滝は排泄管理までされており、はた目からは完全なるKの支配に見えるが、読み進めて行くと誰が誰に支配されていたのかわからなくなる。
これにはゾッとした。
歪んだ支配関係が堪らない!!
坂滝は弱々しくて支配される側に見えて、いろいろな人を虜にして狂わせてしまうんだろうな…。
Kの死の真相を色々と勘ぐってしまう。

世界観も完成されていて本当に素晴らしい。
近代小説のような坂滝の告白口調が、ダークで耽美な雰囲気にピッタリ合っている。
坂滝の左にのみ集まったホクロも歪みを感じさせるし、Kだけが最後までアルファベットのままなのもいい。
何となく夏目漱石の「こころ」を彷彿とさせるのが、個人的にものすごく好み。

奥田先生、素晴らしい作品をありがとうございます。
見事にブッ刺さっていつまでも抜けません。
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