罫線上のカンタータ【電子限定描き下ろし付き】
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罫線上のカンタータ【電子限定描き下ろし付き】

早寝電灯

内容も構成も秀逸で繋がった時の感動が凄い

2025年3月13日
これは…言葉にならないくらいの感動を巻き起こす作品でした。世の中のありとあらゆる褒め言葉を並べたい衝動に駆られるくらいの。

まず構成。短編集かと思いきや、一冊が2組のCPから成る変則的な作りになっています。最後の書き下ろしで、分かりやすく時系列がまとめられているので、参考になりました。

ここで重要になってくるのが、タイトルのカンタータ(ちなみにイタリア語)です。調べてみると「カンタータとは、独唱・重唱・合唱および楽器伴奏から成る大規模な声楽曲。交声曲。」のことだそうで、なるほど…別々の話かと思いきや、最終的に(厳密には途中も)しっかり一つにまとまってるんですね。

構成も凄いものがありますが、それぞれのCPの展開も素晴らしくて、どちらか一方だけでも充分読み応えがあるのに合わせ技の相乗効果で何倍も楽しめました。細かい設定や伏線めいた会話や行動が、精密機器のような緻密さで組み立てられているようでした。諸々の事が最後に繋がった時の感動と快感が最高で、ぜひ皆さんにも味わってもらいたいです。
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