このレビューはネタバレを含みます▼
ネットの記事を読んで即買いした作品です。私にとって、いちかわ先生の初読作品になりました。
バース系は好みではなく、先生の有名な『ただいま、おかえり』も未読です。オメガバース、ケーキバース、面白そうな設定だとは思いますがこれ以上差別化って必要?と思ったり。でも今回のガイドバースにははまってしまいました…私、チョロい。元々少年漫画出身、異能力集団大好きです。それでいてBL、手に取るでしょう!先生の画は丁寧ですけれど比較的あっさり、さらっと。ディテールもさほど細かくないと思いますが、漫画あるあるの画風の好き嫌いをスルッとすり抜けて読ませてしまう、そんな感じ。テンポも良く、話運びも上手。他の作品も同じように感じました。
粗筋としてはセンサー(五感のいずれかが非常に発達した能力者)を代々輩出してきた名家百目木の末っ子尊(彼は能力無しのミュート)と彼の専属護衛スーパーセンサー(五感全て覚醒)暁臣のお話。暁臣のスーパーセンサーぶりの格好良さ、無能略でも尊の芯の強さ、賢さ、優しさ、2人の魅力に読者は速攻落ちるはず。一族の中で無能力の尊、突出した能力故に疎外されていた暁臣。真逆の立場だけれどお互いの孤独を1番理解しあっている2人。それはそれは深く重い愛情(執着)ですよね。暁臣のストレートな愛情表現も、尊の気付かせまいとする、言葉に出さない心の揺めきも、もう切ないしドキドキしっぱなし。
センサーには彼らを支えるライフラインであるガイドが必要不可欠なのですが、暁臣にはガイドがいません。想像がつくとは思いますが後半、尊がガイドの能力を覚醒させますがその時のシーン、目覚めた暁臣が泣いている尊に気付き開口一番『…だれに泣かされた?』『お前だ ばかぁ…』このシーンは紙面で是非堪能して下さい!早く早く続き、読みたいです!
いちかわ先生、作品を生み出して下さってありがとうございます。惚れました!先生にも作品にも!