春のデジャヴに踊れ
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春のデジャヴに踊れ

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神作が降臨いたしました…

ネタバレ
2025年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっとずっと待ち望んでいた作品、素晴らしい1冊にまとまり手元に舞い降りてきて下さいました…

少しずつ寒さが緩み、あちこちで芽吹きを感じるようなこの季節にぴったりの、正に春の訪れを告げるような作品でした。
母の記憶に立ち止まっていた晃介と、晃介の母である花さんへの想いを口にすることもないままでいた淳と。2人が出逢ったところから、止まっていた冬のような時が少しずつほころんでいくように感じました。
特に最初と最後のワルツ。花さんが愛した曲で2人が踊るシーンには、それぞれひとつ先の新しい扉を開けるような感動があって、ダンスをテーマに描かれた圧倒的魅力が詰まっています。

歳の離れた、そして同性である相手の手を取ること。その葛藤と向き合う2人を、物語の中で常に暖かく照らしていた花さんは太陽のようで、最後まで読んだ時には涙が滲んでしまいました。

物語はとても実直な反面、実はかなりの情熱を秘めていて、ダンス以外でも上品で艶のある2人の様子は本当に眼福でした。肌を隠しても溢れる色気とはこのこと…!そんな人達が肌を顕にしたら尚のこと…!!(急にキャラ崩壊)
シーモア特典のラテン衣装淳さんをぜひご覧ください皆さま。動揺したのは晃介くんと私だけではないはずだ!! あ゙あ゙〜どうか淳さんのラテンをいつか拝むことはできませんでしょうか…←ラテン好き

数々のBL作品を漁っ…拝読していますが、どこまでも美しい作画は言わずもがな、コマ割り、カメラワーク、台詞、心情や背景描写etc、漫画の構成要素全てがここまで最高級品質で揃っていいのか…⁉と今だに二度見する勢いです。語りや描写などが多すぎも少なすぎもせず、行間を素晴らしく操って、読者に想像させ没頭させるセンスを持っておられる作家様は、そう多くはないと思います。そんな貴重な作家様に出逢えた幸せを噛みしめながら、この先もずっと大事に読み続ける宝物になりました。

お忙しい中でこんな珠玉の作品を生み出して下さった先生と、先生を私達の元に降臨させて下さった編集者様に心から感謝申し上げます。
この初々しい2人の先をまだまだ見守りたいのは私だけでしょうか…?続編などがありましたら…|ω・`)チラッ 今作で寿命が一気に延びましたので、先生の更なる作品を拝見できるのをいつまでも全力待機しております!
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