目眩はまどいのつがい
」のレビュー

目眩はまどいのつがい

早寝電灯

優しさ∞底無し

2025年3月18日
たぶん、早寝電灯先生の作品は全部買ってると思います。
最初がスリープレスビューティ、次が52ヘルツで、元々は表紙買い。
いくつか読んで、登場人物が皆んな優しく扱われているところ、カップルになるまで2人が大事に関係を紡いでいく様子と、その間に読ませる綺麗なセリフの数々、何よりカップルの対等な関係が良くて、作者買い&新刊即買いするようになりました。
52ヘルツは「αの生きづらさ(傷つき)」に目を向けたところが特に新鮮だったのですが、オメガバにありがちな守られるΩとスパダリαではなく、互いの優しさを知って、それを尊重し、対等な関係でおつきあいに至るところが良かった(特に、オマケマンガの「αから見たΩの巣作りの意味」の話が良かった)。
今作だと、αにとってのΩはバースを武器に攻めるのでなく大事にしたい相手だし、Ωにとってもバース性より人柄で惹かれる相手…という形でやはり対等な関係。
今回新鮮だったのは、バースで共鳴(※)してるカップルなのに、パッとくっつかないところ。
序盤で印象的な出会いをするのに、その後すれ違った時に「あ、あの時の…」とかならずにスルーしちゃうハトちゃん…。
Ω・ハトが年下でウブで鈍ちん、αは歳の差から遠慮があり奥手というのも原因ですが。それぞれ可愛いw
(この点がツボにハマった人は、『化け猫かたって候』もオススメ)

共鳴※運命の番ほど強い拘束ではない。オメガバによくある、いい匂いでバース性に気づくみたいな感じで互いに気になる現象。
運命の番というオメガバ定番の設定は強制力が強すぎて、ストーリー運びの上では暴力的であまり好きじゃないと思うことが多いんですが、それが無いのも早寝オメガバの良いところ。
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!