このレビューはネタバレを含みます▼
大手ゼネコン勤務の30歳の梶幸多が16歳の如月虹郎をスカウトします。社内クーデターを目論む梶は、目をつけていた部長が虹郎をホテルの部屋に連れ込もうとするところを抑えて部長を左遷に持ち込み、虹郎を説得してビルの清掃員として社内情報を収集させます。若くて可愛いイケメン清掃員は、あっという間に「清掃王子」としてOLたちの人気となり、虹郎は期待以上の成果を挙げるのでした。16歳だった虹郎は梶の仕事を受け続け、20歳となる頃には弟を医学生にまで育て上げます。弁護士だった父親を亡くした虹郎たち兄弟は親戚に遺産を横取りされた上に虐 待を受けていたため、虹郎が進学を諦めて二人でやってきたのでした。美形な虹郎のカメラアイや年齢に見合わぬ冷静な判断力などその頭脳明晰さに梶は驚かされ、二人はやがて対等なバディとなってゆきます。父親である会長の汚職を暴こうと社長の兄と妾腹の梶がタッグを組み、美貌で毒舌の虹郎が活躍してじわじわと目的を成し遂げてゆくお話です。上巻は設定と滑り出しとで二人が次第にバディとなってゆき、下巻で互いになくてはならない存在となります。満を持して高い画力できっかりと描かれるエロシーンは誤魔化しがなく、くすっと笑えるやりとりも交えながら進んでゆく、非常によくできたエンターテイメント作品でした。