このレビューはネタバレを含みます▼
おぅ、これは良い鬱漫画…。
不安定な心の、痛くて苦しい部分をリアルに切り取ってる。
舞台は宮崎と東京。
一人のシンガーソングライターがある日突然姿を消した。
彼女の歌と、それにまつわる人々のオムニバス。
ひとつひとつの話が、冬の曇天みたいにどんより重い。
夢を諦めた人、夢を追わずに諦めた人、へし折れたプライド。
崇拝、嫉妬、挫折、羨望、絶望――。
読んでいると暗い沼にズブズブと沈んでいくような感覚になるけど、そこがいいです。
読み終わったあと、もう一度表紙とタイトルを見て、うわ~となった。
きっと万人受けはしないだろうけど、この作品、私は好きだな…
もともとは『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』が気になって興味を持った作家様。「この部屋から…」もいつか読みたいな