このレビューはネタバレを含みます▼
舞台は少子化が進んだ未来。人類はDNAの3種類に分かれていた。
Aは人工受精で作られて、恋もしないタイプ。
Dは全滅した旧人類の遺伝子クローンで種無しタイプ。
Nは自然生殖で生まれた絶滅危惧種タイプ。
旧人類は2〜300年前に滅んだ設定。
主人公はNタイプの天兎(アマト)、そしてDタイプのハチ。設定が作り込んであるので内容を理解するのにひと手間はかかる。しかし最後まで読んでみると理解できた部分から面白さがアップして、300頁がペロリ。
たっぷりエ○もある。だがそれ以上に伏線がどんどん回収されるSFファンタジーの世界を堪能してほしい。
決して新しいだけの近未来モノではなくて、古い時代の懐かしさも入っている。
天兎はシンガーの時は黒髪の美人に変身するし、それでいて肝の据わり具合は頼もしくもある。
ハチはスポーツ万能のカッコ良さと一途さもあり、後半は物語のかなめになる。
細かいところは、天兎のウサギとかハチのぬいぐるみの兎とか少子化のテーマに兎の象徴がかけてあるのも憎い。セキュリティードローンも斬新だし。ネーミングセンスも良い!
独特の世界観は好き嫌いが分かれやすいだろうな。
BLのカテゴリーの中だけに収めておくのはもったいない、ちょっと時間をかけて読んでほしい良作です。