このレビューはネタバレを含みます▼
水彩画のように少し淡く無駄のない絵、好きな顔。特に秀の目に惹き込まれます。目線や表情で丁寧に丁寧にすごく細かい心の動きが絶妙に表現されています。たった一言が、ほんの小さな表情が誰かの心をとらえてしまう瞬間。2人の間にある空気や感情がとても尊いです。
秀の心の奥にあるものをなんとなくつかんでしまう紺ちゃん。柔らかくどんな形でも寄り添える自由な心をもつ紺ちゃんだからこそ気づけたんだと思う。深い傷を負っていた心は紺ちゃんに救われたものの、その先を期待しつつ自ら想いを閉じた秀が痛々しくて愛おしいです。紺ちゃんと再開するまでの3年間どんな思いで生きていたのだろうか?読んでるときは平気ですが考察しだすと泣けてくる・・・ほんと紺ちゃんよく自分の気持ちに気付いてくれたよ~3年かかったけどね。いや、気付けるまで知らずに熟成させてた、のほうが正しいかも。
タイトルの「被写界深度」カメラ用語だったんですね。綺麗な響きで聞きなれない言葉だったので調べました。ぼやけた所からビタッとピントが合うまでの2人を表すこれ以上ないタイトルです。センス良すぎて震えます!