奥田の細道
」のレビュー

奥田の細道

相葉キョウコ

デビューしたい!という熱量と、業界の闇と

ネタバレ
2025年4月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 純朴だけどプロレベルの文才はすでに持ち、筆も早い高校生、奥田。アイデア次第では「つまらない」ものしか書けず、埋もれそうな才能を、彼の「小説家デビューしたい」という熱意を汲み取って、最初に近づいてきたのは、彼の才能を伸ばそうとする編集者。しかし組織の歯車でしかない編集者は、奥田の手を離し、代わりにやってきたのは、奥田を「調教」し、エンタメ作家として生まれかわらせて、メディア展開を夢見る女編集者だったーーーー。高校生奥田に近づく大人たちの思惑から、出版業界のグロテクスな部分が見えて、背筋がぞわぞわするような微ホラーに仕上がっています。人間を壊すには、どうすればいいか。それを奥田くんを通して我々は知ることができるのかも…、いや、なんとか自我を保って、「壊れないでいてくれ」。がんばれ奥田くん。

なおヤンジャンアプリで11話まで先読みしてきましたが、ぞわぞわがゾクゾクにかわるほど強烈な展開が続きます。悪い大人が増えていく。手加減してくれ、まだ奥田は高校を卒業してもいないんだぞ。
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