無能な皇子と呼ばれてますが中身は敵国の宰相です
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無能な皇子と呼ばれてますが中身は敵国の宰相です

夜光花/サマミヤアカザ

BL?

ネタバレ
2025年4月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 雷に打たれて敵国である帝国の皇子と身体が入れ替わってしまった王国の宰相リドリーと、帝国の元騎士団長で入れ替わる前の皇子によって牢に入れられ処刑を待つ身だったシュルツのお話。

めちゃくちゃ面白いし文章が読みやすいので、サクサク読み進められます。
4巻時点でも正直BLとは言い難いレベルではありますが、恋愛以外の面が楽しすぎます。
今まで引きこもり豚皇子とバカにしていた帝国有力貴族たちがリドリーの言動に唸らされ、次第に皇子側に回っていく様子が痛快です。

とくにリドリーのものの考え方がとても合理的で良いのです。
そしてその合理的な自分の考えを実現しようと、幼い頃から努力を欠かさなかった点も素晴らしい。
さすがは宰相にまで上り詰めた男! と手放しで褒められるような人物ではありますが、そんなリドリーが皇子と同じ20歳設定であることには違和感しかありませんでした。
この年齢にしては、あらゆる経験値が高すぎます(恋愛以外)
宰相として盤石の地位を保ち、しっかり部下を育てていたり。
30代くらいでもおかしくない、というかそれくらいじゃないとどれだけ生き急いでるねんって勢いです。神童過ぎます。
ここは素直にもう少し年齢が上でも良かった気がしました。
ただ、今後の展開で20歳設定が生きてくるのかもしれないので、今の段階ではあまり色々言えることではないのですが。

肝心かなめのBL要素は正直厳しいというか…崖っぷち(笑)
私は普通にリドリーの成功譚として楽しんでいるので何の問題もないのですが、もうBLという枠で語る話ではなくなってしまっている気がします。
リドリー一強、その他大勢という感じで、攻めがその他大勢に埋没してしまっています!!
4巻前半はかろうじてキスしたり、どうせ奴隷だから生まれる感情なんだ…とか、ちょっと切な風味のシーンが入っていたりしましたが、後半はBLどころではなかったせいか、そんな雰囲気も皆無となってしまいました。
この作品がBLとして再生するには、シュルツが生まれ変わる以外の方法は無いのかもしれません(笑)

この作品の唯一の恋愛要素はアーロンとスザンヌ夫婦かも。
彼らのやり取りは結構好き。

それにしても…。
リドリーの脂肪燃焼魔法!! 羨ましすぎます! 私もやりたい!
とりあえずこの作品で一番言いたかったのはコレです(笑)
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