羊の皮を着たケモノ【SS付き電子限定版】
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羊の皮を着たケモノ【SS付き電子限定版】

九號

3巻はいつ?いつなのー!?

ネタバレ
2025年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルからしてネタバレですしね、表紙もワッルイ(でもめちゃカッコいい)感じで描かれているから予想はついた上で読んだけど、井川(辰巳)ほんとにワルのクズ男でした。

辰巳とは真逆の素直で一途な大地は、姉を詐欺にかけた辰巳は敵であり自分は被害者家族であるのに、発覚前から抱いていた辰巳に対する恋心を消せないでいる。
幼い頃の境遇が似ているのに、その後新しい家族に愛を与えてもらった大地とそうでなかった辰巳。
「本当のあんたはあの冷え切った場所から動けないまま何も与えられなかった俺なんだ」と気付き、ひとかけらの良心を信じると言った大地に、辰巳が何も思わなかったわけないのだ。
お金を返却したこと、その後(橘の推測によると)わざと捕まり服役したことはそれを裏付けている。
ところでこの橘という男はなかなかのキーパーソンと踏んでるんだけどどうかな。

この話1巻で終わると思ってたんですよ。それが2巻が出た上驚くくらい話広げてきてびっくりしました。
過去の罪をなあなあにして簡単にハピエンで終わりにしなかったのはいい事なのかもしれない。罪を犯すということは後々にもツケが回ってくるということを知らしめるためにも。
でも自業自得とはいえ刺された時も、幾也が出てきた時も、ハラハラして辛くて辰巳の方に感情移入してしまうくらいには、私も辰巳に惹かれていたようです。
今の辰巳には大地がいるから戦わざるを得ない。心の中のもう一人の辰巳が「大地を手離せば済むことだろ」と言ってくる。よくあるパターンだと相手のために身を引くとなりそうなところ「手離してたまるかよ」と大地を抱きしめた辰巳。よしよく言った!ここで私は完全に前科付きの辰巳の応援者になってしまったわけです。

2巻はとても続きが気になるところで終わります。矢野と接触してしまった大地はどうなるの。
そして久世という新キャラ。こんな展開…早く続きが読みたくてたまらない!

余談だけど社会人になってからの大地がかっこよくなって嬉しい。前半はあまり好みでなくていまいちドキドキできなかったもんで。
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