異世界の沙汰は社畜次第
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異世界の沙汰は社畜次第

采和輝/八月八/大橋キッカ

確かに「社畜」ではないし、ジャンルはBL

ネタバレ
2025年4月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 低評価レビューに多い「社畜じゃない」「女性マンガじゃなくてBL」というご意見をざっと見つつ、自分はBL耐性もあり、前から気になっていたので、無料の1巻を読みました。
先人達のご意見は正しかった。
社畜は飼い慣らされて所属先に尽くすものであって、自分で勝手に突っ込んで行って働きまくるのは……まあ違うよね。
原作小説がBL分類なのに、こちらを女性マンガ分類にしたのは……出版社のご意向でしょうか。最初はBLに分類されてた気もするんですけど。魔力酔いの治療の方法がアレっていうのは、BLジャンルだから許される、BL展開のために作られた設定ですよね……あれをそのままにして分類を「女性マンガ」にしちゃうのは、そりゃあイヤな思いする読者も出るし、誰得なのかと。自分は「BLジャンルに分類はされてるけどギリブロマンスって言い張れる」くらいだから「女性マンガ」分類にコミックでは移動させた、という作品かと予想して読んだんですけど……あれはいかんと思う。
異世界の「時間」や「通貨」についての言及があったのは、ファンタジー設定として良かったです。
……が、キャラクターが無理でした。
聖女になった女子高生の、主人公に対する態度……必死に助けようとしてくれて巻き込まれちゃった人に対してあれは無いし、いわゆる悪役令嬢ものに出てくる「愚かなヒロイン」まんまでドン引き。
主人公も、自分勝手に「仕事」と称して自分の能力を使っているだけ、「仕事」の「仕」の字の意味が抜けちゃってる感じで好感が持てませんでした。
もっとコミカルでテンポ良い描かれ方ならまだそういうキャラにも「まあ仕方ないなぁ〜」って思える気はしますが、比較的シリアスにじっくり描こうとしている印象の中では耐え難し。
……そして、今作を読んで何より驚いたのが、原作者さんが『悪役令嬢たちは揺るがない』と同じ方だったことです。
えっ……ほんとに……?あっちの輝く令嬢たちを書いている人が……??と、当惑しきりになるレベルでびっくりです。ラノベが苦手なので原作は全く読まないのですが、コミカライズ担当の方の手腕というのもかなり大きいのかもしれないな……と、しみじみしております。
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