兎が二匹
」のレビュー

兎が二匹

山うた

一読目はおもしろかった

ネタバレ
2025年4月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 序盤のインパクト、不老不死の設定、過去の経験など、一読目はなかなかおもしろかったし、かなり泣きました。
が、二読目でガラッと主人公の印象が変わり、自分の許容できる作品ではなくなってしまいました。
序盤の、サクがすずを殺し続けるシーン……最初に読んだ時にはそのまま作品の流れに乗ってそこまで気にならなかったのですが。
サクとの出会いやその後を読んだ後に改めて読むと、もう、私には怒りしかない。
よくも、よくもまあ、あんな目にあっていた子供に、あんなことをさせたものだ……そこにあるのは自己中心性、どこまでも自分勝手な人間である、という風に、印象が塗り変わってしまいました。そうなるともう、不快さが勝ってしまって作品をしみじみと読むことはできなくなったという。
元は読切だったものを連載にしたようで、おそらく、サクとの出会いは後付けなんでしょう。
ただの恋人ならあの関係でも良かった、けどなぁ……あの過去があってあれはなぁ……個人の趣味として「ナシ」です。
他作品も読んでみましたが、全体的に「こうやって読者を感動させよう」みたいな意図が見えがち、そしていささか物事の見方が平面的。絵は好きです。泣き笑いみたいな表情がうまい。
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