プリフェクトの箱庭【電子限定漫画付き】
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プリフェクトの箱庭【電子限定漫画付き】

左藤さなゆき

籠の鳥

ネタバレ
2025年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 愛でられ、満足なら籠の中でも幸せだよね、と思わされる作品。
作者さんの作品は、心理描写の追い方が秀逸ですね。
神様のように崇められる攻が、次第に人間らしさをもち受に執着する。その過程が哀しくも美しいです。
逆に受君の方が普通の少年から、慈愛を含む深みをもった青年に変わっていく対比が絶妙でした。
3巻に渡り、2人の過去を共有する場面が散りばめられ、これがあるからこそ、攻にとって受は唯一のひとなんですよね。
ラストの受け止め方も人によるかもしれないけど、私はハピエンでした。歪められ、神のように長く生きた彼だからこそ、まっとうな愛し方はできない、それを自覚したからこそ籠のドアを開けたままにし、応えるように飛び出さなかった。覚悟を持って選び選ばせた2人だから、至上の幸せなんだと思います。
なんか毎回作者さんの作品はため息でますね。
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