無恋愛紳士
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無恋愛紳士

ARUKU

リーマン同士、再会モノ

2025年4月25日
リーマン同士、蘇芳と日夏の話。一昨日ARUKUさんの新刊「俺がお前に恋してやんよ」を読んでね、積読になってた本作も勢いで読んでみたのね。そしたら、内容が似ててビックリ。ARUKUさんて重くて痛いけど愛も深いってイメージだったけど、重さと痛さがあまりなくて、可愛くて楽しかった!ニャンコ攻めの日夏がめげずに愛情を注ぎ続けるという、溺愛執着なんだけど、宇宙の生命の神秘に迫る深い愛情だったな。萩尾望都のトーマの心臓を思い出した、トーマがユーリに生きるには愛が必要なんだって教えてくれてたな。太陽が地球を飲み込むのは私も中学の頃知って随分衝撃を受けて、やはり今でもその概念が心を支配してるところがあって、その宇宙の神秘や小鳥、モルフォ蝶など、印象的。海で珍しく日夏が怒る場面があって、「俺がお前に〜」にも似たシーンあったね。結婚が幸せで、そこから漏れた人間は不幸みたいな風潮は暴力だって台詞はグサリ、本当に残酷な風潮。蘇芳の、恋愛がわからなくて戸惑って思い悩むのが丁寧で良かったな。好きな台詞は日夏の「俺の心はあなたに奪われて、その欠落はとても痛くて切なくて、なくした心を取り戻そうとする苦闘が恋なのかも」。214頁でボリューム満点で、ラブコメちっくで楽しくて、そして真っ直ぐに愛が大切だと教えてくれる。なんのてらいもなく。読めて良かったな、ARUKUさん大好き。
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