愛されたい男
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愛されたい男

鳥丸太郎

愛したい

ネタバレ
2025年4月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ ってことだろうな。

父親の教育虐 待によるトラウマ持ちの雑紙記者と、ピュアな大学生のお話。
烏丸先生作品の中では、かなりピュアなんじゃないだろうか(笑)あ、エチはあります(笑)
そういうピュアじゃなくて、出来事を通して主人公の心が生き返っていきような感じ、というピュア。

しのぶ(受け)の無条件の肯定的尊重。愛だね。年若き聖母受け。
父親の考えるような息子になれなかったから、追い出された。父親失格ですな。守らない庇わない母親も同じだ。
教師ならわかってんでしょ?当時なら20歳までは保護義務があること。フィクションだけど怒りが(笑)

子どもは親の所有物ではないのに、自分でもできなかったことを子どもに強いる。
子どもは、自分が悪いんじゃないかと罪悪感をもつ。
力がない子どもは、成す術を奪われ、且つ、学習性無力感に苛まれる。
親が亡くなっても悲しくない、泣けないことに再度苛まれ自分は善人ではないと思ってしまう。
それでいい。情が薄いんじゃない。情が育たない環境だった。

愛を知らないけれど、愛してくれる人を求めていたのかも。しのぶはいい子だ。泣き虫だけど強い。
愛されれば愛を返す。人にもよるけど返報性だなぁ。

烏丸先生、更に絵が素敵になった気がする。
感慨深い作品でした。
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