このレビューはネタバレを含みます▼
田舎の街の公共図書館で出会った司書(補)の萩原と大学の非常勤講師のやぶみ。
やぶみが知的で落ち着いた大人の雰囲気で素敵。萩原も若い素直さもあるけど職業柄か落ち着きも感じられて良い。
同じ地域に住み同じゲイなのに、やぶみはかつて周囲に傷つけられ萩原は素直にまっすぐ育ってる。元々の性格もあるだろうし、それぞれの家族との関係もあるだろう。萩原は今までカムアウトしたことがなく偏見の目を向けられたことがないのかも。そして、二人の10歳以上の歳の差・10年以上の時代の差で社会の多様性への受容が変化しているのかもしれない。
やぶみの田舎の閉鎖性や同調圧力を恐れると同時に昔の大切な思い出を捨てられない迷いのようなものが丁寧に表現されていたと思います。
カバー裏の萩原と父親の関係性が素敵でした。